こんにちは、ショウコです。
今回は、クレバードリッパーの究極の淹れ方をご紹介します。
お先にstand.fmにてラジオ収録しました。約5分でまとめています。
▼ 音声派の方はこちらからどうぞ。
さて、ブログでは文章にて詳しく解説していきます。
今回ご紹介するテクニックが「正解」という訳ではないので、ぜひ「参考までに」ご覧ください!
クレバードリッパー究極の淹れ方ガイド by ジェームズ・ホフマン

ロンドンのSquare Miles Coffee Roasterのクレバードリッパーワークショップにて(2019年12月)
今回ご紹介するのは、ジェームズ・ホフマン(James Hoffmann)氏が2020年12月にYouTubeに載せた『究極のクレバードリッパーガイド(The Ultimate Clever Dripper Guide)』というビデオの日本語解説です。
クレバードリッパーとは
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もしかしたら、はじめて見聞きする方もいるかもしれません。
クレバードリッパーは、コーヒー抽出器具の一つです。
おなじみのドリッパーの形をしていますが、抽出方法は全く異なります。
最大の特徴はコーヒー粉をお湯に漬ける点
イメージでいうと、クレバードリッパーが「浴槽」みたいな役割をします。
なので、クレバードリッパーには底の部分に「ストッパー(栓)」が付いています。

つまり、浴槽(クレバードリッパー)にお湯を注いで、コーヒー粉を浸して、コーヒー(液)を作る仕組み。
この抽出方法を日本語では「浸漬式(しんししき)」、英語では「Immersion」と言います。
では、出来上がったコーヒー液をどのように出すかと言うと、下の写真の様にカップやサーバーの上に置くだけ。
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物の上に置くと「ストッパー」が外れて、コーヒー液だけが出てきます。
あとは、クレバードリッパー内のコーヒー粉を、ペーパーフィルターごと捨てるだけ。

ジェームズ・ホフマンとは
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ジェームズ・ホフマン(James Hoffmann)氏は、コーヒーを愛する2007年ワールドバリスタチャンピオンであり、起業家、執筆家、そしてインフルエンサーです。
2007年、ロンドンにて自身の焙煎所「Square Mile Coffee Roasters」を共同設立。
2014年、世界のコーヒーラバーの愛読書『The World Atlas of Coffee(英語)』を出版。
こちらの本は、日本語でも出版されています。
コーヒーのことが1冊で分かる『コーヒーの事典』という感じです。英語版は3部構成となっており、1部でコーヒーの概要、2部でコーヒー豆から1杯のコーヒーになるまで、3部でコーヒーの起源を解説しておりコーヒー生産国のうちアフリカ、アジア、中南米より35カ国が挙げられています。

2016年、コーヒーに特化したYouTubeチャンネルを開設。
2021年1月現在で登録者数は驚愕の67万人越えです。
▼くわしくは、こちらの記事をどうぞ
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【コーヒー界のレジェンド】ジェームズ・ホフマンとは何者なのか?
コーヒーが好きな人ジェームズ・ホフマンさんって、一体何者なんですか? このような声に、お答えします。 筆者は、スペシャルティコーヒーに出会って6年が経ちました。 喫茶店出身のわたしは、こ ...
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クレバードリッパー究極の淹れ方ガイドの解説
結論から言うと、今回ご紹介するクレバードリッパー究極の淹れ方ガイドの要点は2つ。
- ムラのない均一な抽出
- 特に、ドローダウンタイムの短縮
ドローダウンとは?
英語で「drawdown」と書きます。意味は、水位が低下していくこと。
つまり、ここではコーヒー粉にかけられたお湯が落ちることを意味します。

それでは、本題へ。
抽出比率:コーヒーの粉に対して、お湯の量は15.38〜16.66倍
動画の例)コーヒー豆15g / 抽出量 250ml
粉のサイズ:中細挽き
お湯の温度:沸騰したてのお湯を使用
▼ こちらの動画から粉のサイズを確認できます(2:29〜)
動画で使用されている器具詳細
ブランドは異なりますが、サイズは以下の通りです。
1. クレバードリッパーにペーパーフィルターをセットする
まず、ペーパーフィルターの横と底の端の部分を折ります。
絶対に必要!と言うわけではなく、折ることでドリッパー内にきれいに収まります。
ペーパーフィルターはドリッパーの奥まで詰めすぎない
自然に被せる感じでOKです。奥まで詰めてしまうと、お湯の抜けに時間がかかるとか。
次に、ペーパーフィルターにお湯をかけます。
これは、①紙の匂いを取るため、②器具を温めるため、なのでキレイなお湯をわざわざ沸かさなくてOK。

2. 【重要】お湯を注ぐ
一般的なクレバードリッパーの淹れ方では、ここで先にコーヒーの粉を入れます。
しかし、今回ご紹介する最大のポイントがここ。お湯を先に入れる点です。
どういうことかと言うと、ロンドンにあるWorkshop Coffeeというコーヒー屋さんが、お湯を先に入れることでドローダウンタイムが速くなることを発見しました。
なので、先に250mlのお湯だけをクレバードリッパーに注ぎます。

3. コーヒー粉を投入する
お湯を注いだら、すぐにコーヒー粉を入れましょう。
スプーンで均一にかき混ぜる
コーヒーの粉全体にお湯がなじむように、スプーンで混ぜていきます。
4. 2分間待つ
クレバードリッパーには蓋が付属で付いてきます。
が、ここでホフマン先生が蓋の必要性について熱弁(笑)
「わたしの実験によると、この蓋には明白な利点がない。この蓋のためにもたつきたくないし、必要以上に複雑にしたくないので、わたしはこの蓋を絶対に使いません。」by ジェームス・ホフマン

あくまでもホフマン先生がそうしている、というだけなので蓋を使う使わないは個人の自由です。
5. 上部のクラストを崩す
2分経つと、ドリッパー内上部にアクのようなものが出来ています。
このアクのようなものが「クラスト」と呼ばれています。
クラストを崩す方法は以下の2つです。
- スプーンを使って混ぜる
- クレバードリッパーごとゆらす
コーヒー粉をドリッパー内下部に沈ませ、平たい「コーヒーベッド」を作ります。
これによりお湯が均一に通り抜け、均一な抽出ができるのです!
30秒かけてクラストを落とす
クラストを崩したら、下に落ちるまで30秒ほど待ちます。
6. コーヒーを落とす
マグやサーバーの上に、クレバードリッパーをポンッと置きます。
すると、下のストッパーが外れてコーヒーが流れてきます。
ドローダウンタイムの目安は約1分
お湯を先に入れたことで、コーヒーの流れる速度が通常より速くなっています(その差、約2倍!)

使用するグラインダーや、コーヒー粉のサイズによっては、ドローダウンタイムは45秒〜1分15秒くらいと幅広くなるそう。
7. コーヒーを飲もう!
ではでは、さっそく飲んでみましょう〜!

以上で、クレバードリッパー究極の淹れ方ガイドの解説は終わりです。

1年ほど前はホフマン先生も「コーヒー粉を先に入れる」と言っていました。
▼ こちらは、以前ホフマン先生のロンドンの焙煎所でクレバードリッパーのワークショップに参加した時のツイートです。
クレバードリッパーのワークショップ
おしえてもらった抽出レシピ
豆:24g
挽き方:中細挽き
お湯:400ml(94℃)
抽出時間:2分参加者の方「クレバードリッパーめっちゃええやん」
📍Square Mile Coffee Roastershttps://t.co/sXVWkp0b0X#心震えるロンドンのコーヒー屋さん pic.twitter.com/3MRe94M8fN
— ショウコ (@coffee_shoco) December 1, 2019
ちなみに、今回ご紹介したホフマン先生の動画の再生回数は2021年1月の時点で約23万回。

ともあれ、速くおいしいコーヒーが飲めるのは嬉しいですよね!
▼ 本編を視聴したい方はこちらからどうぞ。